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Advice
魚をおいしく食べるコツ
【下処理で、子供が嫌がる生臭さを解消】
・一尾を焼く場合は、塩を振りかけて15分置き、水分をふき取る。
・切身の場合は、魚を洗い、水分をふき取る。
・酒をふりかける
【調理法を工夫する】
魚料理と言えば、塩焼きや煮つけですが、調理の仕方によっては、身が縮んでしまったり、硬くなって食べずらいこともあります。小さい子供にとって、魚の身が柔らかい方が食べやすいので、水分を保つことができる、蒸し料理や汁物、シチューなどにする工夫もしてみましょう。また、身をほぐしてひき肉のようなそぼろ状にし、そぼろご飯やお魚バーグなどもおすすめです。
<さばそぼろ>
さば:100g ねぎ:50g ごぼう:35g にんじん:20g
ごま油:5cc しょうゆ:8cc 砂糖:8g 酒:6cc
片栗粉:4g
◆作り方◆
1.さばの身を皮からスプーンで細かくこそげ取る。
2.ねぎ、ごぼう、にんじんをみじん切りにする。
3.1と2をごま油でゆっくり炒める。
4.しょうゆ、砂糖、酒を加えてゆっくり煮る。
5.最後に水溶き片栗粉でとじ、できあがり。
★ごはん等にかけて。三食丼にしても。
魚の油を摂ろう
魚の栄養素の中でも特に注目すべきは、脂です。肉の脂と比較するとその差は歴然です。肉の脂には、血液をドロドロする性質の飽和脂肪酸が多く、循環器系の病気の原因となります。
反対に、魚の脂には、EPAやDHAなど、血液や血管の状態を正常に保つ効果があります。血液サラサラ効果や脳を活性化するなど、昔から『魚を食べると頭が良くなる』と言われますが、子供の頃からしっかり摂取することで、頭の働きにも良い効果が期待できます。
【魚の種類】
魚の中でも、特に青魚の脂に、EPAやDHAが多く含まれます。代表的な青魚は、アジ、サバ、サンマ、イワシなどです。また、サケにも含まれます。但し、近年外国産の養殖サケが多く出回っていますが、様々な問題もある為、養殖は避けて、天然のサケを選びましょう。
魚に多く含まれる栄養素
魚には、健康増進に役立つ栄養素がたくさん含まれています。同じたんぱく質源である肉には含まれていない栄養素も多く、魚を食べることは、将来の生活習慣病に繋がることも分かっています。
◆たんぱく質◆筋肉や内臓、髪、爪など身体を構成します。ホルモンや酵素、免疫細胞を作る役割も。
◆カルシウム◆骨や歯を構成し、身体の生理機能の調整を行います。不足すると骨や歯がもろくなります。
◆ビタミン◆魚にはビタミンも多く含まれ、カルシウムの吸収を促進するビタミンDや、活性酸素を抑制するビタミンB2も豊富。
◆DHA◆脳の構成成分として、乳幼児の脳や神経の発達に必要です。記憶力を高めるなど、能力のアップに。
◆EPA◆血液や血管の健康維持に重要。血栓をできにくくし、動脈硬化や心筋梗塞などのリスクを下げます。
◆タウリン◆肝臓の解毒能力の強化や、中性脂肪の減少などに働く。特に赤ちゃんの脳や網膜の発育を助けます。
魚の消費量が減っている原因として、“調理が難しい&面倒”という消費者の意識が強くなっていることがあります。また、小さい子供を持つ親自身が魚よりも肉を好む傾向が強いのも原因の一つかもしれません。
これから成長していく子供たちの身体を脳の健康を考えると、調理方法の工夫やレシピの幅を広げ、ぜひ食卓に魚を並べて欲しいものです。また味覚は小さい頃に作られるので、将来魚好きになるのも、家庭での食事がカギを握っているのではないでしょうか。
簡単に朝ごはんを作る工夫を
時間のない朝に、バランスの良い食事を作ろうと思っても難しいので、前日の夕食に作り置きしておくことや、1品でも様々な食材を入れることのできる具沢山のお味噌汁など、工夫してみましょう。納豆や豆腐など出すだけで良いものなども、忙しい朝には適しています。ただし、水分排泄を助ける為にも、塩分は控えめに。
また、カットして出すだけの果物や、洗ってすぐ食べられるトマトやキュウリなどの野菜も、時短に繋がります。
1日のスタートである朝食は、その内容によって、1日の身体の状態を左右します。
よく朝ごはんはしっかり食べよう、抜いたら良くないといった情報がありますが、時間がないから簡単にパンで済ませたり、朝から肉類や油物の多い食事を食べてしまっては、逆に身体の負担をかけてしまい、意味がありません。まずは必要な栄養素を摂ることを一番に考えましょう。お腹が空かない場合は、果物と野菜だけでも構いません。午前中はまだ消化の時間ではないので、本来起きてすぐお腹が空くことはあまり考えられません。何でも食べたら良いわけではなく、何を食べているかが重要なのです。量ではなく質を選ぶことです。
朝ごはんで摂りたい栄養素
体内時計を整える役割の朝食、そして1日のスタートをきる為に適した栄養素を摂取する朝食。時間がないから、でも朝食は食べないといけないからという理由で、適当に何でも食べたらいいわけではありません。カロリーではなく、どのような栄養素が含まれているかが重要です。
【野菜や果物】
野菜や果物に含まれるビタミンには、体の調子を整える働きがあります。また生で食べることの出来る野菜や果物には、生きた食物酵素が多く含まれています。排泄の時間である朝食に食物酵素を摂ることで、代謝をあげ、身体の解毒や水分の排泄を助けるので、むくみや便秘の改善にも繋がります。
【お米】
午前中からたくさん活動をする子供たちには、エネルギー源となる炭水化物が必要です。朝から血糖値を上げすぎてしまうパンや麺類などではなく、ビタミンやミネラルの多い良質の炭水化物であるお米を選びましょう。胚芽米や雑穀を混ぜることで、さらに栄養価が高まります。
【大豆製品や魚】
子供の成長に欠かせない、たんぱく質を多く含む食品。排泄時間の朝食には、消化に負担のかかる肉類などではなく、負担のかからない良質なたんぱく質の大豆製品や魚を選びましょう。特に納豆や味噌などは発酵による食物酵素も多く、特におすすめです。日本人の元々身体に合うたんぱく源を選ぶことで、健康を維持できます。
朝ごはんで体内時計を整える
人間は、昼間は覚醒状態にあり、夜間は睡眠状態にあります。この24時間周期で繰り返される睡眠と覚醒のリズムのことを、「体内時計」と呼びます。
この「体内時計」は、朝の起床後に浴びる太陽に光の刺激で、毎日リセットされています。
そして、「体内時計」には、この朝の太陽の光で調整されている親時計と、親時計からの指令を受けて間接的に同調している子時計(皮膚、内臓、細胞など)があります。子時計の中には、腸や肝臓などの消化器系の細胞が含まれており、食事は子時計の時刻調整に影響を与えています。
つまり、朝ごはんを食べることは、必要な栄養素の補給だけではなく、眠りから活動に向かうリズムを整える重要な役割を果たしているといえます。
適切な水分補給を
【こまめに水分補給をする】
人の構成成分で一番多いのが水。なんと乳幼児から幼児では、70〜80%が水です。水は、細胞内液や血液、リンパ液などの成分として栄養素などを全身に運ぶため、人には欠かせません。たとえ数パーセント減少しただけでも臓器の働きを正常に保つことができないため、こまめに水分補給することは、人間の生命を維持する上で、とても重要なことです。
1%失っただけでも、喉はカラカラ、5%失うと脱水症状などめまいや頭痛が起こります。8%も失うと痙攣など重篤な熱中症状で倒れてしまいます。
【適切な水分の補給を】
子どもが欲しがる前に、飲ませることがポイント。暑さで水分を失った場合、のどの渇きを感じたら、既に「脱水」の状態です。「いつもよりおしっこに行く回数が少ない」など、子どもの様子をよく観察しながら、食事以外でも、汗をかきやすい起床時や入浴後など、適切に水分を与えましょう。
【水かお茶で水分補給】
体内で、ジュースに含まれる「糖質」がエネルギーに変わる時、「ビタミンB1」が補酵素として重要な役割を果たしています。ジュースなどによる「糖質」の過剰摂取と、食欲不振からくる「ビタミンB1」の不足は、糖質の代謝がうまくいかない原因となり、体内における疲労物質の蓄積につながります。また、甘いジュースは血糖値を急激に上昇させるため、空腹を感じにくくなり、食欲減退の原因にもなります。水分補給は、「水」、「お茶」など甘くない飲み物で行いましょう。
お茶の中でも、特にミネラルを多く含んでいるルイボスティーや麦茶などがおすすめです。
【手作りスポーツドリンクを作ってみよう】
市販の砂糖たっぷりのスポーツドリンクの代わりに、ミネラルウォーターに自然塩やレモン汁などを加えた手作りスポーツドリンクを。自然塩にはマグネシウムやカリウムなど天然のミネラル分が豊富に含まれます。
<材料>
・水 500cc
・自然塩 小さじ1/2
・レモン汁 小さじ2
・てんさい糖・メープルシロップなどの天然甘味料 大さじ2
↓
全てをよく混ぜ合わせる
★近年、夏の異常な暑さにより、熱中症の症状を訴える人が増えています。そして熱中症の対策として、世間ではいろいろな情報を得る機会も増えました。
ただ、簡単にジュースやスポーツドリンクなどで、水分補給してしまうと、糖の取りすぎによる高血糖が原因で脱水症状も引き起こしやすくなり、危険です。
基本は睡眠をしっかりとり規則正しい生活リズムと、バランスのとれた質の良い食生活で予防をしていきましょう。
バランスの良い食事をしっかりとる
【主食・主菜・副菜をそろえる】
炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルなどをバランスよく摂取する簡単な方法は、主食(ごはん)、主菜(魚や大豆食品、肉など)、副菜(野菜、きのこ、海藻類など)の3点をそろえることです。
暑い夏は、のど越しの良い麺類が主食になることが多くありますが、ごはんが主食になることで、自然に栄養バランスが調いやすくなります。麺類を選んだ時でも、主菜として「豆腐」、副菜として「野菜サラダ」を食べるなど、主食・主菜・副菜がそろった健康な食事を心がけましょう。
【毎食少しずつでも食事をする】
胃の小さな子どもは、一度にたくさん食べることができません。更に暑いと食欲も湧かないため、欠食などをしやすくなってしまいます。朝、昼、捕食、夜のそれぞれ1回の食事がとても大切です。欠食は、体力の低下につながってしまうので、食欲がない時は、少量でも良いので、欠かすことなく食べるようにしましょう。
【質のある食材選びを】
少量しか食べられない場合でも、その質を濃いものにすることで、栄養の摂取量が変わってきます。
例えば、毎日食べる「米」を「7分付き米」や「胚芽米」に、「パン」を「全粒粉パン」に、「うどん」や「そうめん」を「そば」に、「パスタ」を「全粒粉パスタ」に変えるだけで、不足しがちなビタミンB群などをたくさんとることができます。また、魚は「白身魚」より「青魚」、野菜は「色の濃い野菜」の方がたくさんの栄養素が含まれています。
より質の濃い食材を選んで、必要な栄養素を無理なく摂取しましょう。
【食欲を刺激する工夫】
食欲中枢は、脳にあり、単なる空腹感だけではなく、五感(視覚・聴覚・臭覚・触覚・味覚)で感じる刺激からも影響を受けます。ちょっとした工夫で食欲をアップさせましょう。
栄養を逃さない調理法
【少ない油で炒める】
カロテンを含む色の濃い緑黄色野菜は、油を使って炒めることでビタミンAの吸収率がアップ。
例)小松菜のソテー/人参のソテー
【茹でるより蒸す】
水を使わないため、栄養素が水に流出することなく、栄養素の損失が抑えられます。
例)蒸しブロッコリー
【流れ出た汁ごと食べる汁物や煮物】
野菜には、水に溶けやすい水溶性のビタミンを含んだものがたくさんあります。汁ごと食べる味噌汁や煮物は、無駄なく栄養素を摂取することができます。
子どもの野菜嫌いは親の好き嫌いにも影響を受けています。大人が苦手な食材も料理に使用したり、苦手野菜に挑戦することで、子どもの好き嫌いの克服にも繋がります。家族全員で野菜量を増やし、健康な身体を目指しましょう。
また、最近は子どもに安易にサプリメントを与えてしまう親もいるようですが、これは安全性の問題のほか、子どもの偏食を助長し、将来の生活習慣病のリスクが高くなる可能性があります。まずは、自然の食品から栄養素を摂取することを考えていきたいものです。
野菜1日350g(子供250g)摂るためには
【1日に野菜料理を5皿食べよう!】
「1日350g」と言われても実際にはどれくらい摂ったら良いかイメージすることが難しいかもしれません。そこで、野菜70g相当の量を1皿分に置き換え、「1日5皿以上(70g×5=350g)」として換算すると分かりやすくなります。
子どもの場合は、1皿分が大人の7割くらいになるので、1皿50g×5=250gと考えます。
【1皿70gはどれくらい?】
◾️青菜のおひたし(1鉢)
◾️野菜サラダ(1皿)
◾️かぼちゃの煮物(1鉢)
◾️筑前煮(1鉢)
◾️野菜たっぷり豚汁(1杯)
【2皿分になるもの】
◾️野菜炒めなど
◾️野菜カレー(1人前)
◾️野菜たっぷりポトフ(1人前)
1日の野菜量は足りている?
厚生労働省は「健康日本21」の中で、1日で食べるべき野菜の摂取量は3〜5歳児で250g程度(大人では350g以上)と推奨しています。しかし、実際の幼児の野菜摂取量は144.7g/日(大人では292.3g/日)と、100gも不足しています。(※1)
さらに、果物を200g摂ることが推奨されています。
また、保護者への調査では、「子どもの野菜の摂取量が足りている」と回答したうちの93%が、実際には子どもの野菜摂取量が足りていなかったという結果があります。(※2)まずは、野菜をどれくらい食べると良いかを知ることから始めましょう。
※1:平成29年度国民健康・栄養調査結果
※2:カゴメ株式会社2017年調査結果
【1日の野菜の目標量】
★緑黄色野菜90g(大人120g)
ブロッコリー15g かぼちゃ50g にんじん15g ミニトマト10g
★淡色野菜160g(大人230g)
きゅうり50g たまねぎ30g キャベツ50g ごぼう30g
【野菜を好きになる調理の工夫】
・ピーマンなどの苦い食材は繊維にそって切って茹でる
・にんじんは大きく切ると柔らかく煮える
・玉ねぎなどは繊維を断ち切ることで柔らかく甘みを感じる
・きのこは小さく切ることで食感が気にならない
・初めは子どもの好きな料理や好みの味付けで調理する
(カレーやハンバーグなどに入れる)
ま・ご・わ・や・さ・し・い
【1日の中でまごわやさしい食材を】
栄養バランスを考える上で、「ま・ご・わ・や・さ・し・い」という7つの食材を1日に全て摂取するという方法があります。
7つの食材の頭文字をとったものですが、食材を買うときや外食のメニュー選びでも簡単に活かせるので、わかりやすい覚え方です。
この7つはおかずになる食材なので、ここにご飯を足すと全ての栄養素を満たすことができます。ご飯以外の、汁物、主菜、副菜にこの7つの食材を使いましょう。
ま・・・まめ(豆腐・納豆・味噌などの大豆食品)
ご・・・ごま(ごま・ナッツ類などの種子類)
わ・・・わかめ(わかめ・昆布・ひじき・海苔などの海藻類)
や・・・やさい(緑黄色野菜・淡色野菜など)
さ・・・さかな(魚介類・貝類など)
し・・・しいたけ(しいたけ・しめじ・舞茸などのきのこ類)
い・・・いも(ジャガイモ・さつまいも・里芋・山芋などいも類)
日本は世界でも有数の長寿国。和食が世界無形文化遺産に登録されるなど、日本の和食は世界から見ても、健康的で栄養バランスに優れ、四季折々の旬の食材やだしによる旨味を特徴とした見た目にも美しく季節を感じることのできる食事として認められているのです。
日本が誇れるこの豊かな食文化である和食を、後世へ受け継いでいくためにも、まずは家庭の中で子供へ伝えていくことが大事なのではないかと思います。まずは一汁一菜やまごわやさしい食材を毎日の食事に取り入れ意識するだけでも、簡単に栄養バランスが調います。
まずは出来ることから始めてみましょう!
一汁一菜
一汁三菜は理想ですが、現代人の多忙な生活の中では作ることが難しかったり、栄養過多による生活習慣病や肥満が増えてきている中、逆に一汁一菜というシンプルな食事方法が見直されています。
内容を考えることで、栄養バランスも良く、適正なカロリーコントロールにも繋がります。
料理の時短にもなるので、多忙な現代人の生活には最適な食事方法かもしれません。
【ご飯】主食であるご飯などの穀物を
品数が少なくなる一汁一菜は、1品ずつの栄養価を高めていくこともポイントです。ミネラルビタミンが豊富な玄米や発芽米、雑穀ごはんなどがおすすめです。
【汁物】具沢山のお味噌汁
一汁一菜の場合、副菜2品が減るので、お味噌汁に野菜、海藻類、きのこ類、いも類をたっぷり入れて具沢山のお味噌汁にすると栄養バランスがとれます。
【主菜】メインとなるおかず
タンパク質源になる、魚、大豆食品、肉、卵を使用したおかずというのは一汁三菜の時と同じですが副菜2品分を補うためにも、野菜や海藻類、きのこ類、いも類を組み合わせたメニューにする。
(例)魚の野菜あんかけ・筑前煮・肉じゃが・五目煮
一汁三菜
【ご飯】主食であるご飯などの穀物を
日本の気候・風土に適しているお米は、日本の食文化の象徴です。お米は炭水化物の供給源です。
脳のエネルギーにも必要な炭水化物は、小麦粉を使用したパンや麺類ではなく、お米を選びましょう。
精米度の低い、玄米や発芽米、雑穀を混ぜたお米などはさらに栄養価が高まります。
【汁物】お味噌汁やお吸い物など
日本が誇る発酵食品である味噌を使った味噌汁がおすすめ。必須アミノ酸が全て含まれ、ビタミンや発酵による酵素も豊富な味噌は、毎日の食事に取り入れたい調味料です。
但し、塩分は多いので、カリウムの多い野菜類やいも類を具材にたくさん入れて、塩分(ナトリウム)の排出を促しましょう。
【主食】メインとなるおかず
主菜は、魚、大豆食品、肉、卵を使ったタンパク質源になるおかずです。日本人の体に合うものとしては、魚介類や大豆食品がおすすめです。
肉の脂は、飽和脂肪酸が多く、体内の悪玉コレステロールの増加や動脈硬化のリスクを高めるので食べ過ぎには注意しましょう。
【副菜】野菜、海藻、きのこ、いも等を使った小鉢のおかず2品
副菜2品には、ビタミンやミネラルの多く含まれる、野菜・海藻・きのこ類を中心としたおかずです。
(例)小松菜のおひたし、ごぼうのきんぴら、ひじきの煮物、野菜の煮物、酢の物、サラダ等
副菜2品というのは、少し大変かもしれませんが、1品は納豆や豆腐、漬物などの調理が必要ではないものにすると、案外ハードルは高くないかもしれません。
栄養バランスのとれた食事
栄養バランスのとれた健康的な食事と聞くとどのような食事をイメージしますか?
健康に良いという特定の栄養が入った食品や、1個で1日に必要な栄養素が全て含まれていると謳っている栄養機能食品のようなものを指すわけではありません。
健康な心身の維持や増進に必要な、本物の栄養素がバランスよく含まれた食事こそが、バランスのとれた食事ということなのです。
1つの食品には複数の栄養素が含まれていますが、必要な栄養素を全て満たすことはできません。
そこで、昔から言われているような和食の基本「一汁三菜」という考えがあるのです。
一汁三菜とは、ご飯と汁物、おかずが3品(主菜1品、副菜2品)で構成された献立のことです。
しかし、現代人は栄養過多による肥満や生活習慣病などの飽食が原因で様々な問題が起こっている為、近年では「一汁一菜」という考えも見直されてきています。
まずは、各家庭の生活スタイルに合わせて、可能な範囲で、バランスのとれた食事スタイルを見つけていきましょう。
トランス脂肪酸は絶対に摂らない
マーガリン、ショートニング、加工油脂、ファットスプレッドなどトランス脂肪酸は絶対に避けなければいけません。
「食べるプラスチック」と言われるようにプラスチックの構造にそっくりな不自然な形をした油です。
トランス脂肪酸は、心臓病、ガン、糖尿病、アトピー、そしてうつ、アルツハイマー、ADHDやADDなど脳の重要な機能低下を招く恐れがあると危険視されています。
特に、一番発達途上の乳幼児の脳の発育、人格形成に与えるダメージは大きいと考えられます。
加工品にもたくさん使われているので、買うときは必ず原材料の表記をチェックしましょう。
<トランス脂肪酸が多いもの>
パン・スナック菓子・クッキー・ファーストフード・チョコレート・カップラーメン・粉ミックス(ケーキ)など
※“We are what we eat”私たちは食べ物からできている
この昔からのことわざが表しているように私たちの身体や脳や心は、私たちの食べたものからできています。特に細胞分裂が盛んな胎児、赤ちゃん、子供は、この食べ物の影響を一番受けやすいのです。その中でも細胞膜を構成している成分である『油』は特に重要です。
日本は未だにトランス脂肪酸の規制がないなど、世界の国と比べても食や栄養学が遅れをとっています。つまり、現状は私たち自身が各自で気をつけていくしかありません。
オメガ3系とオメガ6系の相互作用
【オメガ3】
・アレルギーを防ぐ
・血圧を下げる
・肥満を抑える
・LDLを減らす
・発がんを防ぐ
・記憶力や学習能力を高める
・神経疾患(うつなど)の予防
【オメガ6】
・アレルギーを起こす
・血圧をあげる
・肥満を進める
・高脂血症を促進
・発がんを進める
・脳の老化(アルツハイマーなど)
・神経疾患の悪化
★オメガ3のフラックスオイル(亜麻仁油)や青魚を積極的にとろう
体内の脂質バランスを整えるために、オメガ6系の油を控える代わりに、オメガ3が多いフラックスオイルや青魚(天然)などを摂りましょう。
オメガ3不足は、アトピー、花粉症などのアレルギー疾患だけではなく、子供の脳の発達や人格形成にも大きなダメージを与えてしまいます。
ただし、オメガ3は熱に弱いので、フラックスオイルは加熱せずに生のまま、青魚も出来るだけ新鮮な状態で撮るようにしてください。
手軽なのは、フラックスオイルを大さじ1杯毎日摂ることです。
サラダにかけたり、納豆に混ぜたりすると美味しいです。
★加熱用ならオリーブオイル
一般に加熱調理に使っていることが多い、サラダ油やごま油などはオメガ6系の油ですが、実はこの油も熱に弱く酸化してしまうため、加熱には向きません。
加熱にも強く、調理しやすい油は、オメガ9系のオリーブオイルです。
オリーブオイル=イタリアンというイメージもありますが、和食に使っても意外に味は気にならないので、加熱調理にはオリーブオイルがオススメです。
脂肪酸の種類
1.脂肪酸
1-1.飽和脂肪酸:30%(常温で固体となるもの)
⇒バター、ココナッツオイル、ラードなど
1-2.不飽和脂肪酸
1-2-1.多価不飽和脂肪酸:30% ※過熱×
【オメガ3】αリノレン酸、EPA、DHA
⇒亜麻仁油(フラックスオイル)、えごま油、青魚の油など
【オメガ6】リノール酸、γリノレン酸
⇒サラダ油、こめ油、ごま油、マヨネーズなど
1-2-2.一価不飽和脂肪酸:40% ※過熱○
【オメガ9】オレイン酸、パルミトレイン酸
⇒オリーブオイル、アボカドオイル、ひまわり油など
★油の摂り方はバランスが大事!
理想の脂肪酸バランスは、飽和脂肪酸が30%、一価不飽和脂肪酸(オメガ9)が40%、多価不飽和脂肪酸(オメガ3&オメガ6)が30%がベストです。
さらに、オメガ3とオメガ6のバランスが重要で、1:1〜4の比率で摂取することが理想です。
★オメガ6(リノール酸)の過剰摂取が様々な問題を引き起こす
オメガ6の過剰摂取は、炎症を増大させてしまいます。
現代人は外食や惣菜類の多食、自宅で使用する油もサラダ油など、オメガ6を使用した食品が多くなっていることによって、オメガ3とオメガ6の摂取が、1:10〜50とバランスが崩れています。
油の摂り方
普段、ご家庭で使用している油はどのようなものですか?
近年、花粉症、アトピーなどの皮膚トラブル、鼻炎、認知症やアルツハイマーなどの脳疾患、うつ病など、様々な身体の不調を感じている人が増えています。
実は、その不調は日常摂取している油が原因かもしれません。
私たちの身体を作っている60兆個の細胞の膜の成分は脂質です。また、脳は60%が脂質でできています。
その脂質の成分が変われば、身体や脳が変わるのです。
脂質は身体にとって必要な栄養素です。油=悪い物のように思われがちですが、油は摂らなければいけないものです。ただし、その種類が重要なのです。
必要な油をしっかり摂取し、身体にとって害になる油を制限することで、身体の不調は改善されます。油で身体と脳は変わります。
一度、普段摂っている油の種類を見直してみませんか?
味覚を育てる方法
★接触頻度を増やす
苦味や酸味など、子どもが苦手な味を持つ料理でも、接触回数が増えると、嫌悪感が薄れていきます。これを「単純接触効果」と言います。子どもが一口でも食べることができれば良いのですが、難しければ見るだけでもOK。家族が美味しそうに食べている姿をを見るだけでも効果があります。
<無理強いは逆効果>
・食べないと遊びに連れて行ってあげないよ
・食べたら、美味しいおやつを食べさせてあげる
・食べるまで、このおもちゃでは遊べないよ
★いろいろな食品・味に触れさせる
同じものを反復して摂取することで、安全が予測できるようになり、その安心感が嗜好性を生むと言われています。特に低年齢時では、嗜好が定着しやすいため、より早い段階で与えることで、その傾向が顕著に表れます。正しい味覚を育てるためには、早い時期からいろいろな食品を繰り返し経験することが大切です。
★調理の工夫で食べやすくする
子どもが苦手な味(苦味)を持つ食材には、それを抑える食材を組み合わせて食べる練習をしましょう。
★食べることを勇気づける言葉かけを
人は、「脳で食べる」と言われるほど、情報は食べ方に影響を与えます。「季節のトマトは甘くて美味しいね!」「栄養がたくさん入っていて元気になるよ!」というような肯定的な情報を子どもに繰り返し伝えることは、健康な食品を美味しく食べることができる「味覚」を育てる上で効果があります。
★五感を使って味わう
人は、五感(視覚、嗅覚、聴覚、触覚、味覚)を使って食べ物を味わっています。
これらのすべての刺激を認識することで食への関心が高まり、味覚を育てることにつながります。
※味覚の中でも塩味、つまり食塩の摂取量については特に気をつける必要があります。
0歳児からの摂取した食塩の合計量が多いほど、成人になったときに血圧が高くなり、これが生活習慣病の原因の一つになっているということがわかっています。
1食の食塩摂取量は1.2g以下が望ましいと言われています。
ミネラルやビタミンの豊富な自然塩を選ぶことも減塩につながります。
子供の好き嫌いのメカニズム
★生まれながらの「好き」「嫌い」
味の種類は、「甘味」「うま味」「塩味」「酸味」「苦味」を基本に構成されています。
甘味は、エネルギー源となる糖質から得られる味。糖質は脳の唯一の栄養源で人にとってとても重要。私たちは甘味を手掛かりに糖質をたくさん含む食べ物を摂取しています。うま味も、生命を維持するために必要なタンパク質やDNA等の材料となる大切なものです。一方、酸味や苦味は私たちに腐敗や毒性など、人体に害をもたらす危険性があるものです。
★身を守る防御本能から「新しいもの」を避ける
人は穀類、魚や肉、野菜などいろいろな食品から必要な栄養素、栄養量を摂取していますが、食べ物の中には毒を持つものもあり、食べることで健康を害することがあります。そのため、人間には身を守るために、今までに経験したことがない食べ物は避けるという行動が備わっています。このような行動は、2〜6歳児でよく起こること、また個人差があることが知られています。
【乳児】・・・恐怖心が少ない
【幼児】・・・個人差がある
↓
食べずに大人になると食わず嫌いに!
★嫌な経験から食べられなくなる「食物嫌悪学習」
食べたものが原因で体調を崩した経験があると、その食べ物を本能的に避けようとすることがあります。これは「食物嫌悪学習」と呼ばれ、食後に腹痛や吐き気や蕁麻疹等を起こした経験があるものを嫌いになってしまう傾向があります。食事とは別の原因で嘔吐しても、遡って食べた物と自動的に結び付けられます。
正しい味覚を育てよう
『3歳までの食経験は、その人の一生の味覚を左右する』
味覚形成の一番重要な時期は、生後3〜5ヶ月頃から3歳頃と言われています。
この乳幼児期は食生活習慣の形成にもとても大事ですが、この時期の子供たちは自分自身で食事を選ぶことはできません。親が用意したものを食べることでしかできないのです。
「三つ子の魂百まで」と言いますが、食に関してもその通りで、この時期のどのようなものをどのような環境で食べているかということで、大人になってからの食習慣に大きな影響を及ぼすかもしれないということです。
また美味しいと感じる食事には、食事内容だけではなく、盛り付け方、温度や固さ、食べさせ方、食事の環境や雰囲気、精神症状など要因は多くあります。
子供達が健康に生きるための「正しい味覚」の形成をはかるために、家庭でもできる範囲で意識してみてほしいと思います。
主食は米を選ぼう
主食となる炭水化物には、身近にあるもので考えるとお米、麺類、パン類などがあります。
その中で純粋な炭水化物はお米です。
パンや麺類などは、小麦粉に砂糖や食塩、油脂、その他添加物を入れて作られています。しかしお米は炊くだけで食べられるものです。
栄養価を比べてみても、お米にはビタミン、ミネラル、食物繊維などがバランスよく含まれますが、パンなどはカロリーは高いですが栄養価は低いものになります。
よく空のカロリー(エンプティーカロリー)と言いますが、高カロリーだが栄養素(ミネラル・ビタミン・タンパク質など)が少ないかほとんどないものは太る一番の原因となってしまいます。
また、お米であれば、必然的におかずを食べることになりますが、パンや麺類などの場合、おかずが必ずしも必要ではないので、栄養バランスも悪くなりがちです。
よって主食をお米にし主菜、副菜を揃えることは、栄養バランスの向上や望ましい食習慣の形成につながるのです。
★不足しがちな栄養素を補給できる
給食献立で使用されている食品を詳しく見ると、思わぬ栄養素をお米から摂取していることがわかります。お米は、食卓に上る機会が多く、一度にある程度の量(茶碗一杯)を食べるため、いろいろな栄養素の供給源となっています。
【鉄分】
1位:米
2位:ほうれんそう
3位:豆腐
4位:卵
5位:豚レバー
【カルシウム】
1位:牛乳
2位:ヨーグルト
3位:豆腐
・
・
・
7位:米
【食物繊維】
1位:たまねぎ
2位:米
3位:にんじん
4位:キャベツ
5位:ジャガイモ
★水の量で形状を変えることができる
離乳食の「お粥」、1歳児が食べる「軟め」、幼児が食べる「ごはん」のように、お米は水分量を変えることで、形態の調整ができます。水分を増やすことで、消化吸収に負担をかけることなく栄養素を摂取できるため、体調を崩している時にも、症状に合わせた調理が可能です。
糖質の選び方
近年、糖質制限ダイエットや炭水化物抜きなど、過剰に糖質を制限する人が増えています。
しかし、糖質は唯一脳のエネルギーでもあり、酸素を全身に運ぶ赤血球のエネルギーとしても使われ、過度な糖質制限は危険です。
糖質制限をすることで、どうしても栄養バランスが崩れタンパク質や脂質を多く摂取する傾向になります。この状態が続くと肝臓や腎臓への負担も大きくなり、心疾患の影響や骨粗しょう症などへの影響も問題になってきます。
糖質は身体には必ず必要なものです。よって制限をするのではなく、糖質の選び方が重要なのです。
正しい糖質の選び方をすることで、身体の状態を整え、病気にならない身体作りや適正体重を保つことにも繋がります。
牛乳について
カルシウムが多く、骨を強くするというイメージが一般的に浸透していますが、実際にはカルシウムの吸収率が悪く、骨の強化に働くかは疑問です。
元々、日本人は牛乳の乳糖を分解する酵素の量が少なく、乳糖不耐症などのお腹の調子が悪くなることも多く、うまくカルシウムの分解ができていません。
さらに、牛乳の中のマグネシウム量が少なく、カルシウムとのミネラルバランスの悪さからも、吸収がうまくできていないというのも現状です。
そして乳脂肪が多いため、中性脂肪やコレステロール値が上がることや、アトピー性皮膚炎などのアレルギーの悪化にも繋がることなどから、できれば避けていったほうが良い食品と考えています。
代替として、大豆製品の豆乳(無調整)などへの置き換えがおすすめです。
給食でも料理には豆乳を使用し、おやつ時の牛乳も徐々に豆乳への切り替えを行なっていきたいと考えています。
おやつについて
幼児期のおやつとは、捕食として摂るものであり、決して甘いお菓子というわけではありません。
小さいうちは、消化機能が未発達で一度に食べられる量が少ないため、食事と食事の間に栄養バランスの良い軽い食事を加えていきます。
しかし、おやつに市販の甘いお菓子や油の多いスナック菓子などを与えてしまうことで、糖分や脂質のカロリーだけが増え、食事での必要な栄養素が摂れなくなるのであれば本末転倒です。
あくまで、必要な栄養素(ビタミンやミネラル、良質の糖質やタンパク質など)を補うためのおやつです。
給食では、市販のおやつではなく全て手作りしたおやつにし、必要な栄養補給ができるように工夫しています。
また、午前のおやつはお昼ご飯までの時間が短いため(約1時間前)、お昼ご飯を美味しく食べ必要な栄養分を摂取できるよう調整しています。
トランス脂肪酸について
マーガリン、ショートニング、加工油脂、ファットスプレットなどを総称してトランス脂肪酸と呼びます。
日本ではまだトランス脂肪酸の規制は行われていませんが、世界各国では身体に有害な油として、トランス脂肪酸の販売禁止や表示義務などを設け規制がかけられています。
元々は液体の油を、固形にするために人工的に加工した油で、その構造から「食べるプラスチック」と呼ばれています。
トランス脂肪酸の摂りすぎにより、心臓病、がん、アレルギー、糖尿病、子宮内膜症、流産、鬱やアルツハイマー、ADHDなど様々な健康問題のリスクが高まることを指摘されています。
パンやお菓子類、ファーストフードなど加工食品にはたくさん使われていることが多いので、商品の原材料を見る習慣をつけましょう。
給食のコンセプト
3歳までの食生活が一生の味覚を決めると言われています。
この1番大事な時期の食事に、食品添加物や人工甘味料、トランス脂肪酸などがたくさん使われていたり、白砂糖や塩分の摂りすぎなどがあると、味覚の乱れだけではなく心身のトラブルや疾患を起こしやすくなってしまいます。
アトピー性皮膚炎や花粉症、食物アレルギーなどアレルギー反応をしめす子が急激に増えているのも、食生活の影響が大きな原因と考えられます。
本来、生活習慣病と言われる疾患は長年の食習慣や生活習慣によって大人になってから発症するものですが、近年では子供の糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病の急増が問題となっています。
そこで、正しい食と本物の味を覚えてもらうためにも、天然だしや、自然塩、未精製の砂糖、油などの調味料にこだわり、日本人の食性に合った食材を使用し、塩分や糖分を控え素材の味を活かした献立で給食を提供しています。
元々日本人の食性に合わずアレルギーや疾患の原因となる乳製品や小麦製品、油脂類なども極力使用していません。
また、天然の素材からとった出汁を使った和食を基本とし、できるだけたくさんの食材を使用することで、味覚の幅を広げ好き嫌いのない子に育つような工夫をしています。